会長挨拶

第50回日本周産期・新生児医学会・学術集会

  • 会長楠田 聡(東京女子医科大学母子総合医療センター)
  • 事務局長内山 温(東京女子医科大学母子総合医療センター)

この度、第50回日本周産期・新生児医学会学術集会を開催させていただくことになりました。このような貴重な機会を与えて頂いたことは、私共関係者にとりまして大変光栄なことで、ここに深く感謝申し上げます。会期は2014年7月13(日)から15日(火)までで、会場は、シェラトン・グランデ・トーキョウベイ・ホテルです。第50回と記念すべき会ですので、2014年7月13(日)の学会第1日に、日本周産期・新生児医学会第50回記念式典を開催する予定にしております。東京女子医科大学としましては、第27回の武田佳彦教授、第43回の仁志田博司教授に続いて担当させて頂くこととなり、この重積を果たしたいと考えております。

50年の歴史を振り返ると、日本周産期・新生児医学会の前身である日本新生児学会が昭和40年7月に設立され、第1回の学術集会が東京大学小児科の高津忠夫教授の主催で同年7月18日に東京都で開催されました。その後の本学会の発展は著しく、昭和51年には日本医学会加盟、昭和60年には日本学術会議会員、平成13年には学会認定医制協議会に加入と、学術活動のみでなく広く社会的な認知を受ける団体となりました。そして、平成15年には学会が法人化され、平成16年には日本周産期学会と合併し、現在の日本周産期・新生児医学会となりました。一方、会員数は、昭和40年には約600名でしたが、平成25年にはその10倍以上の約7000名となり、わが国の周産期医療の中心的役割を担う学会として、広く海外にも認知されるようになりました。このような誇るべき歴史を持つ本学会の第50回学術集会を、全ての周産期医療関係者にとって、実りあるそして記録に残る内容にさせて頂きたく、現在教室をあげて準備しております。

学会のメインテーマは第50回に関係する「The Future of Children and Mothers−母と子の次の50年に向けて」とさせて頂きました。日本の周産期医療は世界最高レベルにあることは、海外でも広く認められています。しかしながら、このように進歩したわが国の周産期医療であっても、まだまだ解決すべき課題は多くあります。特に、周産期医療の短期予後は確実に改善されていますが、母と子の長期予後を考慮した周産期医療としては、多くの改善点があります。先人達が達成した過去50年に発展を引き継ぎ、今の周産期医療レベルに奢れることなく、母と子の将来の幸せを真摯に追及する姿勢が周産期医療関係者には必要と考えております。このようなテーマに沿ったシンポジウムやワークショップ、さらには教育講演を企画しておりますので、是非ご意見、ご提案を頂ければと思っております。

なお、招待講演は、University of Western Ontario のBryan S Richardson先生による、「Perinatal Brain Injury」、島根大学医学部の大谷 浩先生による「ヒトの発生:正常と異常」、京都大学大学院理学研究科人類進化論研究室の山極寿一先生による「ゴリラの妊娠・出産・育児から人間の進化を考える」を予定しております。

第50回の学術集会として何らかのメッセージを発信できるように努力しております。皆様方のご支援を是非宜しくお願いします。